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2007年10月の業界裏話07年10月13日

お菓子ファンの皆さん、こん**わ。お久し振りです。
今回の更新作業は、当ページ始まって以来「3ヶ月ぶりの更新…」と言う、非常に情けないモノとなってしまいました。スンマセン…。
頚椎ヘルニアで体調を損って以来、モチベーションも低下し、そこへ来て本業の仕事量をこなすのに精一杯の状況で、このコーナーを楽しみにして頂いている皆様方へも大変ご迷惑をお掛けしている事へ、心からお詫び申し上げます。
これからも、あまり期待は出来ないのですが、体調と相談しながら細々ながらでも、業界の状況をお知らせして行ければ…と思っております。

さて、今回は今年に入ってから続々と発覚する食品の不祥事に起因する業界の状況についての私見をお届けしてみたいと思います。が、物事には色々な見方があり、其々にご意見があると思いますので、あくまで私的な見解と言う事でご理解下さい。
では、行ってみよう…。 ◆不二家さんの不祥事
消費期限切れの牛乳をシュークリームに使っていた不祥事を起こし、直営の洋菓子店の休業や流通商品の製造中止など、食品企業としての根幹を揺るがす大問題を起こした不二家さん。
創業の藤井家が経営陣から退き、「ペコちゃん」の笑顔を取り戻すべく、ありとあらゆる部分の見直しや改革・体質改善を行って徐々に業績も回復して来ましたが、一度失った「信用」を回復する事は容易な事ではありません。
今回の不祥事は、洋菓子部門で起きた事なのですがロングセラーキャンデーとして知られる「ミルキー」や「ポップキャンディ」、ソフトクッキーの「カントリーマァム」、「ホームパイ」やチョコレートの「LOOK」など流通に出ている菓子商品も企業責任と言う観点から製造を一旦中止し、自社ビルも手放し「山崎製パン」の支援を受けながら全ての面で安心・安全な商品作りを目指して改革を実行しました。

今でこそ「大手」と言われるメーカーさんでも、菓子製造企業の多くは元々が中小・零細の個人企業が業績を上げて大きくなったもの…。
当初は手造りで細々と商っていたものが、売上げ増加によって生産設備を整え、生産量が増える事によって販売経路を広げて企業規模を拡大して来ましたが、何処まで行ってもオーナー企業と言う体質は中々変わるものではありません。
やはり、創業家の経営に対する影響力は大きいのです。

企業の経営方針は、役員に委ねられているもので、経営トップとしては利益を上げて、従業員や社会に貢献しよう…とあらゆる手法を駆使するのも理解できますよね。
でも、消費者の皆さんに高品質でお求め安い価格の商品を全国何処でも安定してお届けしたい…と言う理想を追求する余り、肝心要の「安心・安全」への配慮が欠落してしまったのかも知れません。
大量生産・大量消費、超成熟社会などと言われる今の時代、或る意味「限定生産、売り切れ御免、対面販売」と言った商売の原点に戻らなければならないのかも知れません。

◆石屋製菓さんの不祥事
同じ菓子製造・販売メーカーとして不二家さんの不祥事は知っていた筈の石屋製菓さん。
北海道土産の代表商品である「白い恋人」も 賞味期限の改ざんと、アイスクリームやバウムクーヘンの一部から食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌などが検出されるなどの不祥事を引き起こしてしまいました。

土産菓子「白い恋人」の「30周年キャンペーン限定商品」(28枚入り×2缶)の在庫を処分するため、特別な包装から通常に戻す際に、本来の賞味期限の記載より1ヶ月長く表記すると共に、6月~7月にかけてアイスクリームの一部から大腸菌群、バウムクーヘンの一部から黄色ブドウ球菌を自主検査で検出。店頭からの回収は行ったが、販売済み商品については事実を公表せず、回収もしなかった…と。
生クリームを使用した洋菓子や含有水分量の多い和生菓子に比べて、お土産品や一般流通菓子は含有水分量を少なくする事で、日持ちと引き換えに美味しさを犠牲にする(?)…と言った組成にしているにも関わらず、何故この様な不祥事が起きたのだろう?

やはり、この背景にも流通対策やISO認証を取得したがゆえに起きる廃棄物問題などが見え隠れしている。

◆こんにゃく入りゼリー
「ミニカップ入り一口タイプのゼリー」は、食欲の落ちる夏場や、手軽なおやつとして人気の有る商品だが、その中でも食物繊維を多く含み健康面に配慮した「こんにゃく入りゼリー」は、一般的な一口タイプのカップ入りゼリーに比べ、弾力性が強く、口の中で砕けにくいという商品特性があることから、咀嚼力の弱い子どもや高齢者を中心に窒息死亡事故が多発して問題となった。
当該商品を食べお亡くなりになった方には、謹んでお悔やみを申し上げたい。

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この事故を重く見た全日本菓子協会・全国菓子工業組合連合会・全国こんにゃく協同組合連合会の関係3団体は「こんにゃく入りゼリー製品への表示」について「お子様や高齢者の方は『たべないでください』」との注意書きを添えた統一の警告マークを表示すると発表。 来年1月末までに商品への表示を切り替える予定との事だが、個々のミニカップへの表示については表示欄の狭さもあり各メーカーの判断に委ねるとの事。
しかし、この対応は如何なものか?メーカーは多くのお客様に美味しく食べて頂く為に汗水流して作り上げた商品なのに『食べないで下さい…』と言った表示をするのは断腸の思いだろう。せめて「食べる時には充分に注意して下さい…」と言った表現には出来なかったのだろうか?

「そんな事は百も承知、でも万が一事故が発生して再び死者でも出す様な事になればそれこそ企業の存続に関わる大問題。それに引き換えれば“食べないで…“と表示しておけば後は当事者の責任に転嫁出来る…」とでも思っているのか?
一方で、日本には餅文化が存在し、永きに亘って事故も多く報告されているが、こちらの方は「餅文化は古来のもので、のどに詰まり易いという事は衆知の事で、こんにゃく入りゼリーの様に歴史が浅い商品は周知が図られていない…」との理由から対応は別物…と言うのは苦しい言い訳か?
“百害あって一利なし…“と言われるタバコですら「吸わないで下さい…」とは表記されておらず「健康に害を及ぼす恐れがあります…」程度に止まっているのに…。
苦肉の策で「食べないで下さい」と言う表記をするのではなく、大々的なPRを張って広く一般消費者に商品特性の周知徹底を図り、前向きな対応ができなかったのだろうか?
臭いモノには蓋をする、苦し紛れの対応では製造メーカーも製造を止めよう…となる訳だ。

◆赤福さんの不祥事
売れ残りの商品を持ち帰り冷凍保存して、再度日付を改ざんして販売したことが問題になった「赤福餅」。農林水産省はJAS法に基づき、同社に原因解明と再発防止を指示する行政指導をした。
「伊勢名物」として歴史ある伊勢神宮の恩恵を受けてきた老舗メーカーの不祥事は、複数の法律にまたがる複雑性による認識誤認から起きたものだと思う。
約10年前、赤福本社では三重県伊勢保健所を通し、冷凍した赤福餅の解凍日を製造日にして良いかと言う事を問い合わせ、「(食品衛生上)問題ない」との回答を得ていたが、 食品衛生法とJAS法と言う複数の法律にまたがる部分で、認識の相違があり問題が起きた。
東海農政局と近畿農政局はJAS法に基づいて「表示が不適切…」と指示・公表を行ったもので、「(食品衛生法は)関知せずコメントする立場にはないが、製造日は製造した日であり、解凍した日ではない…」としている。

一方、事件発覚後、三重県健康福祉部は、「農水省管轄のJAS法についての認識はなかった。今後は両法律に照らして指導する…」と。
現行の食品表示制度は、食品衛生法(厚生労働省)、JAS法(農林水産省)、景品表示法(公正取引委員会)の3つの法律がそれぞれ重なりながら存在しており 、現場では突然「法律違反」を指摘され戸惑いを隠せない。
同業他社や異業種で多発する不祥事に「ややもすると…」と自社の製造管理の甘さを認識しても、取引先への影響なども考えると、すぐに是正できるものではない。

さて、今回の「業界裏話」は如何だったでしょうか?
ここでは、 決して「違法を正当化しよう…」とするものではありませんが、法律の改訂とともに、複雑化する食品表示への対処など、これまで業界が慣例として来た事が時代と共に移り変わり、現在の消費者意識と乖離した結果で起きている…と言う側面もお知らせしたいと思いました。

どんなに時代が変わっても、私達食品製造に携わる者にしてみれば、ただ単に商品を作っているだけでなく、消費者の皆さんに「安心・安全で美味しく、喜んで食べて頂ける商品を創り出す事…」は普遍の事。決して皆さんを欺く様な事を考えている訳ではありません。
業界では、これまで「性善説」が主流となっていましたが、今では何事にも「性悪説」として当るような悲しい現実も見え隠れして来ていますが、こんな悲しい事はありません。
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